プロレスのルール

制限時間

15分、20分、30分、45分、60分、時間無制限に分けられます。1つの興行に対し、前座の試合では15分・20分、セミでは30分・45分、メインが60分・時間無制限という区切り方が多いです。時間無制限は、引き分けが許されない完全決着を求める試合に適用されます。

試合形式

1本勝負と3本勝負があります。3本勝負の場合は先に2本先取した方の勝ちとなります。またシングルマッチ、タッグマッチ、3WAY・4WAYマッチ、バトルロイヤルなどがあります。詳細は以下のとおりです。

  • シングルマッチ

    いわゆる一騎討ちです。1対1で行います。

  • タッグマッチ

    チーム戦です。2対2で行います。6人タッグマッチは3対3、8人タッグマッチは4対4で行います。

  • 3WAY・4WAYマッチ

    個人戦の場合は3人または4人同時に行います。団体戦の場合は3組または4組同時に行います。また、時間差で選手が入場して行う形式もあります。とにかく最後まで残ったら勝ちの場合や、先にピンフォールやギブアップを奪ったら勝ちの場合、自分以外のすべての選手またはチームから続けてピンフォールやギブアップを奪う完全決着制があります。

  • バトルロイヤル

    数名入り乱れて行う個人戦です。同時に試合を行う形式と、時間差で選手が入場して行う形式があります。最後まで残ったら勝ちです。

勝敗

ピンフォール、ギブアップ、KO、TKO、リングアウト、引き分け、反則、ノーコンテストがあります。詳細は以下のとおりです。

  • ピンフォール

    相手の両肩がマットに付いた状態で、レフェリーがマットを3回叩き3カウントとなった場合。

  • ギブアップ

    ギブアップの意思表示をすることで成立。(口に出して言う、マットまたは相手を数回叩く、レフェリーに対してうなずく等)

  • KO(ケーオー)

    ダウンした状態でレフェリーの10カウント以内に起き上がれない場合に成立。(ノックダウン制は特別ルールとして採用される場合が多く、通常の試合ではダウンカウントはとらないのが一般的です。)

  • TKO(ティーケーオー)

    レフェリーが戦闘不能とみなした場合や、セコンドが試合続行不可能と判断し、リング内にタオルなどを投入することで成立。レフェリーが試合を止めた場合はレフェリーストップとも言う。

  • リングアウト

    選手がリング外にいる状態でレフェリーの20カウント以内にリング内に戻れない場合に成立。(団体によっては10カウントで成立。)

  • 引き分け

    両者リングアウト、両者KO、両者TKO、時間切れの場合。

  • 反則

    凶器の使用、拳でのパンチ、つま先でのキック、目潰し、引っ掻き、噛み付き、指関節技、首を絞める(チョーク)、髪の毛を引っ張る、急所への攻撃、レフェリーへの暴行。また、これらの行為をレフェリーの5カウント内にやめない場合。

  • ノーコンテスト

    無効試合。選手が試合を放棄したり、第三者の介入により試合が成立しない場合など。

レフェリングについて

試合を裁くレフェリーには個人差があります。3カウントや場外カウントにおいてもレフェリーによって多少の誤差があり、正確に秒数で計測しているわけではありません。特に場外カウントはレフェリーの状況判断にゆだねられる事が多く、場合によってはカウントを途中で止め、選手にリング内で闘うように促します。また、反則については、試合そのものを壊すような行為でなければ即試合終了となることはほとんどなく、レフェリーの裁量によって黙認されるケースが多いです。これらはリングアウトや反則での試合決着を避けるために、ルールやレフェリングにある程度の「遊び」を持たせているためです。プロレスでは消化不良の試合をなるべく減らし、観客に不満を与えないようなレフェリングが重要視されています。

暗黙のルール

プロレスは5カウント以内であれば反則が許されるなど、比較的何でもありの自由度の高い競技です。しかし、反則でなくとも故意で相手に致命傷を負わせる行為は原則的に禁止されています。特別ルールを設けて、お互いが納得したうえでの試合であれば問題ありませんが、不意打ちで相手に重傷を負わすことはプロレスにおける暗黙のルールから逸れる行為です。そういう意味では、プロレスの試合は総合格闘技とは一線を画すものであり、ある種の信頼関係のもとに成り立っている競技と言えます。

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